2013年6月28日金曜日

夏至 6/26~7/1 七十二候・次候

あちこち、豪雨が続き、被害が出ています。各地いかがでしょう。
ここ何年かは停滞前線と台風とが重なり、「ゲリラ豪雨」と呼ばれるようになり、しとしとじめじめと降る梅雨のイメージがどうも変わってしまっています。
どちらも好きではありませんが、季節感としては、紫陽花やあやめに優しく雨粒があたり、雨が上がれば、日の光でキラキラ輝いているような風景がいいですね。
さて、そのあやめがこの候の主役です。

夏至・次候 29         「菖蒲華」(あやめはなさく)
あやめの花が咲く頃。水辺にこの花が咲く頃、梅雨到来と言われています。農事には水が必須。米作りをする農家にとっては、あやめの開花を見て、梅雨が来ることを知ったとも言われています。

ところで、あやめ、花菖蒲(はなしょうぶ)、かきつばたの区別はお分かりになられますか。
わたしは言葉の響きとしては、「かきつばた」が好きですが、正直、今ひとつピンときません。非常に見分けがつきにくいですね。
葉の形が少し違うとか、筋が入っているとか、いろいろあるようですが…。
昔、平安時代の頃の書き物の中に出てくる「あやめ」は今で言う、サトイモ科の「しょうぶ」だとか。
それが、江戸時代以降はアヤメ科の「あやめ」を言うとか・・。
と、少し調べてみると、「かきつばた」は愛知県の県花なんですね。
それも、在原業平が『伊勢物語』のなかで、「かきつばた」の折句を詠った場所に由来していたとは・・・。

から衣
きつつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ

意味は全く分かりませんが、愛知県の方ならわかるのかな…。
といううんちくはいいとして、
優劣つけられない時に、「いずれあやめかかきつばた」と言われるくらいですから、見分けがつかなくて当然ですね。
どれもこれも、姿のきれいな花ですから、どれと間違わえてもいいかな。

梅雨の後半となると、大阪では、この月末~愛染堂で「愛染まつり」が始まります。
「天神祭」、「住吉祭」と並んで、「大阪三大夏祭り」の一つなのですが、ここは神社ではなく、お寺のお祭りなのです。
うちの会社のすぐ近所なので、この3日間は夜店通りを通って通勤です。
「宝恵駕籠(ほえかご)」に、浴衣姿の愛染娘たちが乗り、「愛染さんじゃ、ホ~エ~カ~ゴ~!べっぴんさんじゃ、ホ~エ~カ~ゴ~!」といった掛け声と共に、練り歩きます。

大阪のお祭りが始まれば、本格的夏到来です。

うちの仕事も夏物がほぼ終わり、冬本番となります。

2013年6月21日金曜日

夏至 6/21~25 七十二候・初候

各地、雨の様子はいかがでしょう。

梅雨前線が消えたり現れたり、停滞しているところに、また台風や低気圧が豪雨をもたらす…と近年はこのパターンが増えている気がします。
四季がはっきりしていて、季節の変わり目の変化が特徴的な日本らしい気候はいずれなくなってしまうのでしょうか、とちょっと物悲しい前置きになってしまいましたが、
今日の七十二候も、ちょっと物悲しいお話・・?

でも、今日は「夏至」
お昼の時間が一番長い日で、日の出・日の入りの方角が最も北寄りになる時季。
「夏至」はカレンダー上での1年の折り返しで、私は気持ちの切り替えのできるいい日だと思っています。

さて、この「夏至」の初候が「乃東枯る(なつかれくさかるる)」

乃東枯と書いて、「なつかれくさ」と読ませていますが、紫色のきれいな花を咲かせる「ウツボグサ」の別名で、漢方薬などに使われる「夏枯草(かこそう)」の古名です。
12月の「冬至」の初候にある「乃東生(なつかれくさしょうず」と対になっています。
(このことはまた12月に書かせていただきますね。)

この七十二候のように、この草は冬至の頃に芽を出し、夏至の頃には枯れていきます。
周りでは、草木がどんどんと成長していく時季に、枯れていく運命にあるという、ちょっと物悲しいお話しでしょ。
ただ、この「夏枯草」だけがそういう運命ではありません。私たちが見かける麦や菜種なども、冬から育ち、夏には枯れてしまうその種類の草木なのです。
この草たちが枯れた後の養分でまた暑い暑い夏を越える夏草が育ってくるという、これは食物連鎖ではなく、植物連鎖??

さて、「暑~い」「蒸し暑いっ!!!」「冷えたビールが飲みた~い!」と一日何回言っただろうという日が続いていきます。
暦の上でもこれから2か月近くは「夏」候。

ただ、その先にある秋から冬を思いながら暮らしていきましょ。
って、私の仕事がすでに、そのモードに入っていますが…。

2013年6月16日日曜日

芒種 6/16〜20 七十二候・末候



この梅雨の季節、いろいろすることがありますね。
大阪は昨日は久しぶりの雨。でも今日はまたまたいいお天気。各地いかがでしょうね…。
今年の梅雨はどこへやら…ですが、
水田には水が引かれ、田植えが行われます。
今日のように、梅雨の合間の晴れ間を見つけては、お布団を干したり、室内の空気を入れ替えたり、エアコン掃除をしたり・・・。
この季節は「カビ」の季節でもありますからね。
この「カビ」という漢字「黴」は「ばい菌」の「ばい」で、この梅雨を「黴雨」と書いて、「ばいう」というのも、あるそうです。
(でも、漢字が難しすぎることと、あまりきれいな表現ではないので、定着はしていませんが。)

ただ、ここ最近の「梅雨」は豪雨が続いたかと思うと、夏日が続いたりと、まるで、「雨期」のようです。というより、1〜2ヶ月も雨の季節が続けば、立派な「雨期」。
でも日本人って、農事や飲料のためには必要とわかっていても、気持ちが萎えそうなこういううっとうしい季節をちゃんと受け入れ、名前だけでも、風流に過ごせるネーミングをしていますね。

そう、まさにこの節気の七十二候の末候が
「梅子黄」(うめのみ きばむ)
この雨の季節を「梅雨」と呼ばせる由縁である、「梅」の季節。
まだまだ青かった梅の実がほんのり黄色に色付いてきます。

八百屋さんの店頭には、この梅の実と、焼酎やお砂糖、赤じそが一緒に並んでいますね。
梅酒を作ったり、シロップ漬けを作ったりと、忙しい季節。
私は昔ながらの、「梅干し」作りですね。田舎から、大量に赤じそをもらい、ちょっと手間ですが、天日干し減塩天然色で「梅干し」作り…。腐らせないように、がんばらないと…。

とはいえ、どんどん気温は上昇、もう来節気は「夏」のピークです。
うちわや扇子で涼をとり、十分なお水と少しのお塩とちょっと美味しいものを頂き、夏を乗り切りたいものですね。
うちの仕事はもう涼しくなった秋を想定。プレゼン試作を作っています。厳しいけど、楽しい季節です。

2013年6月11日火曜日

芒種 6/11~15 七十二候・次候

今日611日は「入梅」。
この日は「二十四節気・芒種」から5日目、また「二十四節気・立春」から135日目で、暦の上では、いくつかある「雑節」のひとつです。
今日から梅雨の季節が始まるのですが、実際も、早かった梅雨入り宣言から、早くに発生した台風に後押しされ、やっとうっとうしくなりそうですね。

梅雨に入り、ジメジメしてくると、この小さな個体から放たれる光は儚く、でも少しひんやりとした風が心を通り抜ける気がしませんか。

芒種の次候 26候 「腐れたる草 蛍となる」(くされたるくさ ほたるとなる)
そう、蛍の季節です。

私たちは蛍とはきれいな水辺に暮しているものとばかり思いがちですが、実際は湿気でじっとりと蒸れて、腐りかけた草の下で、明かりを灯し始めるそうです。
昔はこの候の通り、腐った草の根や草が化けたものだと思われていたとも言われていました。

蛍は「火垂る」「火照る」などが語源で、柔らかい光を放つようになってからわずかな期間しか生きる事ができないので、あの光がさらに幻想的で、情緒的に思えます。
何ともロマンチック…。
さらにはこの寡黙に淡い光を放つ姿から、「蛍の光、窓の雪」とも歌われたようですが、今はその意味も知られていないのでしょうか…。

さて…、この梅雨と台風はいずこへ行くのでしょうか。昨年や一昨年のような被害が出ないことを祈るばかり。

そうこうしているうちに、うちの「夏物」も終盤。もうそろそろ品切れが出てきている頃。
もちろん、贈答物、販促物としてもいいのですが、この夏のお気に入りの「うちわ」や「扇子」は見つかりましたでしょうか。



2013年6月6日木曜日

芒種 6/5~6/9 七十二候・初候

梅雨に入ったとは名ばかりなのか、来週にかけて、日本列島は晴れマークが並んでいます。
「梅雨入り」した模様…なんて言わなかったらよかったのにと、素人は思いますが。

さて、気候不安定な中でも、暦は粛々と動きます。
昨日65日は二十四節気「芒種」(ぼうしゅ)
麦を刈り取って、次に稲を植えて行く時季となります。
直前の七十二候で、「麦秋」が出てきたように、二毛作の入れ替えです。
特にこの節気は芒(のぎ )を持った植物の種をまくことを意味します。

そして、そんな田畑に、姿を現してくる昆虫がかまきり。
「芒種」の七十二候・初候は 
 二十五候「蟷螂生ず(かまきり しょうず)」
「蟷螂」(とうろう)とも読みますが・・。
この季節、昨年秋に生みつけられた卵からかまきりが生まれてきます。

かまきり・・・って久しく会っていない気がします。
かまきりの生まれるイメージは地面高くに生みつけられた卵がかえり、豆かまきりがわさっ~~と散らばる感じ。
また、成虫になると、生き抜くために、メスの方が体が大きく、オスよりも肉食性が高いらしく、メスがオスを食べてしまったり、と壮絶な生き様…。
そこから、「かまきり」というイメージが男性を迷わす「魔性の女性」にたとえられたりしますよね。私からは程遠い存在で、ちょっと羨ましくもありますが…。(笑)

と、どうも昆虫系話に疎い私は今回は短めに…。

次回は次節気・夏至に向け、蛍や梅実の時候となります。