2014年8月24日日曜日

地蔵盆 8月23日 二十四節気「処暑」


旧暦715日あたりの「お盆」が終わり、特に関西圏では、この週末は各町にあるお地蔵様をきれいに化粧?し、お供え物を供える、地蔵盆(じぞうぼん)となります。元々、地蔵菩薩の縁日が毎月24日なので、特に「お盆」後の旧暦724日、地蔵菩薩の祭のことを「地蔵盆」と言います。
この地蔵盆は普通は寺院に祀られている地蔵菩薩ではなく、道祖神信仰と結びついた街角の小さなほこら(小さな神様を祭るお社)に納められたお地蔵様が対象となっているお祭りなので、至る所で目にすることができますね。
最近は8月23、24日あたりに多い「地蔵盆」には、お地蔵様の周りを提灯で飾り、町内で子供が生まれると、その子の名前で提灯を奉納し、毎年その提灯が飾られます。
「地蔵盆」と同時に、「盆踊り」が執り行われることが多く、自分の名前の提灯を探しながら、子供達が輪になり、「盆踊り」を踊る光景はよく目にしていたものです。

「盆踊り」が夜に行われるこの時季、少しだけ、夜の風がすっきりして肌に優しくなって来るように感じませんか。ちょうどこの頃、二十四節気の「処暑」となります。
今年は、8月23日。まさに「地蔵盆」と重なりました。

「処暑」とは、少し暑さが和らぐという意味。
「立秋」から探し始めた小さな小さな秋が、実際に感じられるようになって来る頃。
とはいえ、近年の暑さはまだまだ本番です。台風が頻繁にやって来る「二百十日」の時季とも重なりますが、今年はすでに、梅雨の頃から台風襲来で、大きな被害が出ていますので、ちょっと当てにできないですが…。
また、残暑見舞いを出すのも最終です。次の節気「白露」(9月5日あたり)までなら、「残暑見舞い」を送ってもいいようですので、思いつかれたら、すぐに筆を取ってくださいね。

「地蔵盆」で寂しいこと…に、私の住む大阪市内中心部で昔からのわりと住宅の多い地域でも、数年前から、「盆踊り」がなくなりました。町内会を守る人たちの高齢化と町内会所属戸数の減少からです。
「地蔵盆」で提灯を飾り、夕刻から「盆踊り」をし、終わればお供えのお菓子などのお裾分けを頂けるのがこの時季の年中行事で、私も子供の頃は浴衣を着て、「盆踊り」に行き、お菓子をもらったものです。
その後、バブル以前から始まった人口の「ドーナツ化現象」に伴い、町内に住む人の数が激減、当然、子供の数も減少。小学校も各学年1クラスとまでなったとか・・。空き家や平地が目立つようになりました。
その結果、町内会費の積み立ても足らず、集まる子供もいなくなり、「盆踊り」を開催できなくなっていました。ここ10年くらいは市内へのUターンやIターンも増えてきたようで、空いていた土地にどんどんマンションが建ち始め、人口は増え、子供の数も少しずつ戻ってはいますが、今度は「町内会費」を納めない人たちばかりが増え、全く町内が潤わなくなっているのが現状のようです。
もちろん、まだまだ元気な町内会や地域もありますよ。
小学校の運動場などで、町内会や校区や住宅地域がまとまって「盆踊り」という所もありますね。
元々、お地蔵様の無い地域であれば、即可能なようですが、古くから細分化された町内会を一つにまとめるのは各お地蔵様の存続も危ぶまれ、それぞれの町内会や区政としては大変で、なかなか進まないようです。
なんて、この話しって「暦」とは関係なさそうですが、「地蔵盆」や「盆踊り」というのはやはり、季節を感じる風物詩であり、大切な季節の変わり目ですから、残っていってもらいたいですね。

さて、そろそろ「秋支度」です。ってなにをするかはそれぞれ。(笑)
うちの会社の仕事はどんどん「秋支度」です。年末には愛情を詰め込んだ?カレンダーが届けられるよう、仕事を進めることの支度をしています。


2014年8月6日水曜日

立秋とお盆


ほんとに連日のうだるような暑さと、ゲリラ豪雨で各地それぞれ大変な状況と思います。テレビなどの映像を見ていると、背筋が寒くなります。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

ただ、暦の上では、ちょっと癒されるような言葉が続きます。
明日87日は二十四節気「立秋」
暦の上では、この日から、「立冬」の前日までが「秋」となります。
聞こえは涼しげですが、でもこれは、「秋が来たよ!」ではなく、実は、暑さの絶頂期ということ。
ただ、少しずつ少しずつ、どこかに秋が感じられてくるという暦の季節感ですね。
この日を境に、「残暑」となり、時候の挨拶も「残暑見舞い」となります。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」という短歌がありましたよね。
まさに、こんな秋を探しながら、この暑さを乗り越えたいものです。

また、週が変われば、お盆のシーズンとなります。お盆とは旧暦の7月15日。今年は8月10日が旧盆です。
宗教行事ですが、お正月と並び、帰省をされたり、各地でいろいろな風習なども違い、面白い(と言っては語弊がありますが)文化伝統行事ですね。
お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)。
この時季、お寺などに飾られている提灯に「うら盆会」とよく書いてありますが、この正式名称からきています。私は表盆と裏盆があるのかと思っていた時期もありましたが…。

「盆」とは、今も使われる「物を載せて置く容器」を意味し、本来は霊に対するお供え物を置く容器の意味。そこから、祀られる精霊の呼称となったとか・・。
また、中国文化のなかでは、旧暦7月が「鬼月」と言われ、71日に地獄のふたが開き、715日にそのふたが閉まるという言い伝えがあるとか。
つまり、中元節と呼ばれるこのお祀りは、そのふたが開いている間に、先祖供養の行事を行ったとか。この言い伝えは私も実際に祖母から聞いたことがあります。
また年に2回、こういうご先祖の霊が子孫との交流をする行事があり、初春のものが「正月」となり、初秋が「うら盆」になったという説もあり・・。
普段私たちの日々の中で、すごくうれしいことが重なったり、いい意味ですごく忙しかったりすると、「盆と正月が一度に来たような…」という言い方をしますが、その言い伝えの名残りだとも言われています。
また、大変地域性が強く、神道とのつながりがあったり、宗派によったりと、奥が深いのも事実。村を見護ってくださるお地蔵様の地蔵菩薩の法会は「地蔵盆」と呼ばれ、その地域で、盆踊りが催されたりします。

この「お盆」のお話は、宗教行事とはいえ、日本人の心には根付いている暦文化と言えるのではないでしょうか。
私は、うちの会社がカレンダーを扱う仕事柄、このお盆明けから忙しくなってきます。
お盆休みは普通よりも少し長い目に頂き、ゆっくり休みたい!!!ところなのですが、実家のお盆行事が4日間びっしりで、なかなか休めそうもありません。

どうぞ、皆様方にとって、有意義なお盆休みでありますように。