2012年4月30日月曜日

八十八夜


季節の変化を暦では、いくつかの言葉で表現していますが、
わかりやすく一般的なのが「二十四節気」。これは天気予報士の方々もよく使われています。

さらに、季節の移り変りをより適確につかむための特別な暦日の総称を「雑節(ざっせつ)」といい、二十四節気の間に9個あります。(節分、彼岸、入梅、土用など・・)

八十八夜もその一つです。今年は5月1日です。



八十八夜とは立春(2月4日)を起算日(第1日目)として88日目の日に当たります。

88」日目という数字には科学的根拠はありません。 
88歳を「八・八=米」米寿として、お祝いするように、縁起のいい日とされています。
また、「米」は農業従事者にとっては重要な意味があり、今も、禁忌の風習が残っているところもあります。

私たちには「夏も近づく八十八夜~~♪」と茶摘みの様子が歌われている文部省唱歌『茶摘み』でお馴染みかと思います。この歌にあるように、春から夏への移行の節目で、「八十八夜の別れ霜」などと言われ、霧もなくなる安定した気候となります。

ただ、「八十八夜の泣き霜」とも言われ、遅霜が発生する時期でもあるとか。

この頃新茶の摘み取りが盛んで、この日に摘んだ一番茶は不老長寿などと重宝されています。たぶん、この安定した気候もそう言われる由縁の一つかもしれません。

さぁ、初夏へ一歩近づく縁起のいいこの日、お休みをされている方も多いと思いますが、
いいことがありますように。



当社のようなカレンダー製造業界はこのゴールデンウィークから6月あたりが気持ち的には一番ゆっくりした頃かもしれません。(当社は暦通りの営業ですが…)

でも、既製品カレンダーの企画製造が一段落したこの頃は、企業別製カレンダーの企画がスタートしたり、新企画が多く話に上がってきます。

カレンダー屋として、コンテンツを探したり、サンプルを考えたりと、幅広く、楽しくまた目まぐるしく頭が回転する季節でもあります。

こんな企画の喜怒哀楽はまた別の機会にお話ししたいと思います。

2012年4月19日木曜日

穀雨


 太陽黄経(太陽の天球上の通り道である黄道と天の赤道との交点)が30°となり、「穀雨」(こくう)と言われます。
(ちなみに春分の日が0°で、秋分の日は180°)って、天文学は詳しくない私が言うのですから、この話は完全な受け売り。

昔から、太陽の位置や月の満ち欠けは「暦」や「日々の暮らし」にとても大きな意味があり、
今では「アナログ」なお話しとなりますが、当時としては計算され尽くしたとても「デジタル」なことだったんだと思います。

ここからはちょっとした暦のお話です。
明日4月20日(平成24年) 「穀雨」とは春季最後の節気で、穀物の成長を助ける雨が続く頃。
「春雨降りて百穀を生化すればなり。」

そう言われると、この時季、雨が多いと思いませんか。大阪は明日から週末にかけてお天気が崩れるとの予報・・・(涙)
降雨量が多いわけではなく、「春雨じゃ、濡れていこう…」という時代劇のセリフの通り、
霧雨のように降る「春雨」の季節です。

春雨が百穀を潤すことから「百穀春雨」と呼ばれるのですが、雨で潤った田畑は種まきの絶好の季節となり、農事暦では「種まき」の目安とされています。

つい先日、久しぶりに野を越え、山を越え、プチ旅行に行った折も、車窓からは「苗代」が作られている情景を見かけられました。
ここから半年かけて、美味しいお米が出来上がるわけなんですよね…。
「清明(44日)になると雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることもなくなる」という言葉のとおり、北から南、温度差はあるにせよ、「春」本番となり、日差しも強まってきます。
(春陽は夏の日差しよりお肌には良くないそうですよ…おばあちゃんによく言われました…)

穀雨が終わる頃(「立夏」直前)に八十八夜(51日)を迎えます。
「八十八夜」や「立夏」については、また書かせていただきます。

「カレンダー屋」もそろそろ年末の商戦に向けて、「種まき」が始まっています。
半年後、こちらもいい「お米」ができますように。

2012年4月7日土曜日

共にお祝い…灌仏会と復活祭


東の空高く、まんまるお月様が見えています。
 さて、明日、48日(日)は「花まつり」というのはご存知かと思います。
もちろん「お花」を「まつり祝う」ではなく、「仏教の開祖、お釈迦様の生誕」を祝福する仏教行事で、花で飾った小堂(花御堂)に小さな仏像をまつり、甘茶をかけ、お祝いをします。「甘茶を灌ぐ(そそぐ)」という行為から「灌仏」会(かんぶつえ)と言うとか。
俗称「花まつり」となったのは、明治初期、旧暦から新暦に変わった際、都・東京では、の満開の頃と重なるからだそうです。
もう一つお祝いは、以前「春分の日」について書いた時に少し触れたのですが、「春分の日」(H24/3/20)から最初の満月(H24/4/7・今日)の次の日曜日(H24/4/8)が「復活祭・Easter」です。
復活祭はキリスト教の中でとても重要な日で、キリストが死後三日目に復活された日を記念しています。(キリスト教の東西教会で多少の日のずれはあるようですが。)
日本では、あまり馴染みがないのですが、「Happy Easter」として、卵形のお菓子などを作られる方も多いとか。
今年はこの二つの「お祝いの日」が同じ48日となります。
2007年も同日だったのですが、次は何年後に一緒になるかはまだはっきりしていません。
世界の約40%の人(統計による、仏教徒数+キリスト教徒数)が、同じ日に、それぞれの開祖をお祝いするというおめでたい日となります。少し「暦」が細かく書いてあるカレンダーの明日の枠にはこの2つのお祝いが並んでいると思います。

この時期、当社は自社商品のカタログを作りますが、今年は例年とは違った印刷方法で作ってみようかと考えています。
さて、明日も「花冷え」のようですが、満開の桜の下、Easter Egg チョコレートを頂きたい。「お茶より団子」?!(不謹慎ですみません…)

2012年4月3日火曜日

清明


今日は文字通り「春の嵐」。
必死に枝から振り落とされないようにしがみついている桜の蕾がけなげでした。


さて、明日の暦話。
平成2444日は清明(せいめい) 二十四節気、3月・弥生の節気です。
本格的な春到来で、万物がすがすがしく明るく美しいころで、様々な花が咲き乱れ、
お花見シーズン到来となります。
桃、桜、チューリップ、芍薬、牡丹、藤…と春の花は限りなく…。
草木の緑も急に鮮やかに見えてきます。
「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」
1か月のずれがある旧暦ですが、どうも「節気」は ‘just has come’ という気がしています。
お隣の中国では、この「清明節」は日本のお彼岸やお盆のように、お墓の掃除とお参りをする
風習があり、国内では沖縄県で、「清明祭」(シーミー)ともいい、中国の風習と同様に
お墓の掃除と、お墓参りを行います。
沖縄のお墓はご存じのように、とても大きく、広い所にあるので、まるでピクニックのように
親類が集まって、ご祖先様と共に食事(豚肉料理、お餅、果物など)を楽しむ風習があるようです。
そこで、三味線で唄い、踊り始めたりもするのでしょうね。

さぁ、新しい年度が始まり、じっとしてはおれません。
私の会社でも、もう来年度のカレンダーサンプルが出来上がりました。
この「清明」をスタートとして、明るい見通しいい年にしたいものです。
明日は暦通り、明るく晴れ渡った青空に桜色が映える清らかな日となりますように。