2012年9月29日土曜日

十五夜・中秋の名月


明日9月30日の夜の月を「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」と言う。
旧暦8月15日の月(十五夜)が満月となり、澄んだ秋の夜空で最も美しい満月とされています。
そのせいか、月が雲に隠れて見えなくなってしまう「無月(むげつ)」や、雨が降ることを「雨月(うげつ)」といいますが、これは悪い表現ではなく、月は見えないが、なんとなくほんのり明るい風情を表現しています。また、前後の夜を「待宵(まつよい)」や「十六夜(いざよい)」と呼び、日本人がいかに「月」を愛しているかがよくわかりますよね。
都の平安貴族たちは舟遊びをしながら、歌を詠むという優雅な遊びをしていたようですが、月を直接見ず、水面に揺れる月を楽しんだり、盃に月を映し出して飲み干したりと、粋な遊び心が憎らしい・・。
今は、月が見えるところにすすきを飾って月見団子・里芋・枝豆・栗などを盛り、御酒を供えるのが一般的。里芋を供えるのは、この季節に収穫されるためで、日本人の季節感と農事の豊作を祈ることが深く結びついていることを感じさせてくれます。
もちろん十五夜の月を鑑賞する慣習は中国からの伝来なので、中国は祝日で、「月餅」をいただく習慣があります。私はこの時期に上海で十五夜の月餅を頂いたことがありますが、どうも口に合わず…。(ごめんなさい。)
やはり、シンプルにお月見団子が好き!
また、中秋の名月は古くからその美しさが愛でられており、古都では紅絹(もみ)の小裂(こぎれ)で糠袋(ぬかぶくろ)を縫う習わしがあるらしい。月明かりを頼りに縫うと、裁縫が上達すると言い伝えられていたとか。今も、紅絹の糠袋での洗顔は肌が美しくなると、重宝されているようですね。いつの時代も女性たちは、完璧な月に様々な祈りを込めていたのかもしれません。
さて、明日の夜は…本州は今のままで行くと台風の上陸、直撃コース。満月を愛で・・・とはいかないようですが、「無月」や「雨月」を楽しみながら、お団子を頬張り、通過を待つこととしましょう…。

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